呼吸器疾患に関する説明

呼吸器のお薬

呼吸器内科でよく使われるお薬について、ご紹介します。

● かぜ薬

いわゆる「かぜ症候群」の原因微生物は、80〜90%がウィルスであるとされています。ウィルスは菌ではないので、抗菌薬(抗生物質)は効果がありません。
現在のところ、インフルエンザなど一部のウィルス以外の抗ウィルス薬は存在しないので、基本的には安静・水分と栄養の補給・保温加湿をして頂きながら、症状が強ければ対症療法のお薬(解熱鎮痛剤、咳止め、去痰薬、くしゃみや鼻水の薬、それらを配合した総合かぜ薬、気管支を拡げる薬、漢方薬など)が処方されます。
発熱は、感染と戦うための生体防御反応とも言えるので、「解熱薬を使って熱を下げる=病気がなおる」のではありません。高熱が続きぐったりして水分補給もできない、またはけいれん予防の必要がある、などの場合に解熱剤を使用した方が良いようです。
ウィルス以外には、溶連菌や百日咳菌、マイコプラズマなどの感染や、最初はウィルス性でも二次的に細菌感染を合併している場合もあります。この場合は抗菌薬が使用されます。

● 抗菌薬(抗生物質)

感染症の重症度や身体の状態、また原因と考えられる細菌によって、様々な種類や形態(飲み薬、点滴など)があります。

 耐性菌の増加を防ぐためにも、むやみな抗菌薬の使用は避けたいところです。しかし抗菌薬が必要と判断された時は、飲み忘れたり中途半端にやめたり、といったことは避け、指示通りきちんと使用して頂くのが大切です(副作用が疑われればこの限りではありません)。

● 吸入薬

気管支喘息や、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者さんに非常によく使用されるお薬です。副腎皮質ステロイド、気管支拡張薬、その合剤があります。局所(気道)への効果が高く、全身への影響が少ないのが利点です。
上手に吸えているかどうかが大切なので、心配な場合は薬局などで吸入指導を受けるのが望ましいでしょう。
基本的には病気の悪化を予防し、良い状態を維持する目的のお薬なので、症状が軽くなったからといって勝手にやめたり、回数を減らしたりしないことも大切です。

● 禁煙補助剤

本気で禁煙したいけれども中々できないという方は、禁煙外来に通院して頂き、ニコチンの離脱症状を和らげる貼り薬やガム、あるいは内服薬を使用しながら禁煙を達成するという方法があります。